皆さん、こんばんは。
気がつけば師走、街もすっかり冬に包まれましたね。
今年は中々人と会えず集まれずで寂しい限りですが、心は温かくしていきましょう。
さて、今回の小噺は「声」について。
声そのものの性質についてというよりは、それぞれのコンテンツにおいてどのような立ち位置にあるのか、という点を見ていきましょう。
キャラクターコンテンツにおける声の使い方は、演じるキャラクターの表現は勿論、音楽的にも大きな主張を伴います。特にライヴパフォーマンスにおいては、バックオケは音楽的な背景に徹し、歌唱が最も目立つように構成されることが多いです。音楽としての要素が完全に排除される訳ではありませんが、そのキャラクターを演じるということの演劇性、いわば複合的パフォーマンスに重きが置かれていることがわかります。キャラクターと演者が同時に存在しているような、不思議な感覚が得られることでしょう。
一方オペラはというと、こちらはまさしく「声の芸術」であります。身体という楽器から発せられ、深く育まれた精神を通じ生まれる、長年をかけて磨かれた声は、さながら湧き立つ清流のよう。オペラは、そうして鍛えられた、生の声を念頭に書かれた作品でありますので、声が様々な表現を導きます。オペラにおける声は、それぞれに主張はあれど、オーケストラと一体になることで、本当の意味でひとつの世界が完成するように思えます。こちらは、歌唱に最大の集中を置いているので、単一的パフォーマンスと言えるでしょう。とても深い世界ですね。
このブログも、年内の更新は残すところあと1回となりました。
次回は、今年の振り返りも兼ねた回にしたいと思います。
それでは、また。