第2回公演 【恋人たちの学校】

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オペラ作曲家モーツァルト×台本作家ダ・ポンテ。
オペラを語る上で欠かすことの出来ない2人の天才は3作の傑作オペラを残しました。【フィガロの結婚】、【ドン・ジョヴァンニ】、そして【コジ・ファン・トゥッテ】。これらは”ダ・ポンテ三部作”と呼ばれています。
「この三部作を1公演で紹介し、楽しんでもらうことはできないか?」そんな思いから着想を得て誕生したのがこの【恋人たちの学校】でした。
元々【恋人たちの学校】はコジ・ファン・トゥッテの副題として付けられたもの。そしてコジ・ファン・トゥッテとは「女はみんなこうしたもの」という意味で、2組のカップルが誠実さを試す賭けをし、女性2人は恋人の期待を裏切ってしまうというお話です。現代の価値観では男尊女卑的な作品ではありますが、フィガロの結婚とドン・ジョヴァンニではこれとは逆(というのは言い過ぎかもしれませんが)の構造になっています。この点に着目し、前半は男のだらしなさを嘆く女性、そして後半は女の誠実さを疑う男性という構図をまとめました。
コジ・ファン・トゥッテ冒頭に登場するカフェで、女中仲間であるデスピーナとスザンナがおしゃべりをしているシーンから物語は始まります。スザンナはデスピーナに自身の結婚式当日の出来事を話し(フィガロの結婚)、デスピーナは最近見た夢を教えます(ドン・ジョヴァンニ)。
世の男のダメさを嘆く彼女達。この話を聞いていたカフェのマスターは何やら物言いたげな様子ですが、そこに2人の男がやって来ます。どうやらこの2人、自身の恋人にプロポーズをするつもりのようなのですが、マスターに反対されてしまいます。「女性の心は驚くほど変わりやすい」と諭すマスター。怒った2人はマスターと女性の一途さを試す賭けをすることになり・・(コジ・ファン・トゥッテ)。
本来なら3時間×3作=9時間かかるところを2時間におさめ忙しい現代の人々にもピッタリなサイズとなった本公演は、第1回公演と同様に《字幕なし/日本語台詞/原語歌唱》のスタイルを用い、徹底したアンサンブル、バナナやピコピコハンマーといった多彩な小道具の数々、そして歌手たちの体を張りに張ったパフォーマンスにより客席は爆笑の渦、Vivid Opera Tokyoのスタイルを象る公演となりました。

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