あんまり注目されない、でも面白い、本気出せば主役だってくっちゃうぜ!な名脇役たちを救済する夢のシリーズ☆
『名脇役シリーズ』記念すべき第8弾はヨハン・シュトラウスⅡ作曲オペレッタ《こうもり》!!
初演:1874年4月5日 ウィーン
原作:アンリ・メイヤック、リュドヴィク・アレヴィ
台本:カール・ハフナー、リヒャルト・ジェネ
ヨハン・シュトラウスⅡってどんな人?
→「ワルツ王」と呼ばれた方ですね。ヨーロッパ全土で絶大な人気がありました。現代でも数多く上演される有名なオペレッタをバンバン作曲しています!
そもそも、オペレッタとは?
→脇役シリーズ初のオペレッタですね!オペレッタとは、「小さなオペラ」という意味です。特徴は音楽の付いていないセリフ演技がかなり多いところですね!明るく面白い物語も多いので、オペレッタは初めてオペラを見るという方に特にオススメです!!
では今回取り上げる《こうもり》とは?
→とにかく爆笑必須!!!キャラ濃くて面白い人たちが騙し騙され‥‥(笑)
まず相関図をご覧ください!
いかにも賑やかそうな感じですよね。
主人公のアイゼンシュタインはちょっと気性の荒い男。役人をぶん殴ったとかで8日間の禁固刑に処されてしまいます。凹んでいるところに友人のファルケが登場「禁固刑の前にパーティーへ行かないか?朝までに刑務所へ行けば大丈夫だろう」とそそのかします。アイゼンは妻には内緒でこの提案に乗るのでした。
一方妻のロザリンデは元彼のアルフレードが最近ちょっかいを出してくる。夫がいなければ火遊びできちゃうのに♡そして、なんとロザリンデの元にもパーティーの招待状が!
さらにさらに、アイゼン家のメイド、アデーレの元にもパーティーの招待状が!!奥様のドレスを拝借してこっそり出席しちゃいましょ!(爆)
なんと3人はそれぞれ「同じ」パーティーへ向かうのでした。
実はこれはファルケが仕組んだこと。昔アイゼンに恥ずかしい思いをさせられたことを根に持っていて、復讐しようというわけです。アイゼンはパーティーで仮面の美女を誘惑します。しかし実は仮面と美女は妻のロザリンデ!!!妻は怒り心頭。
アイゼンの運命やいかに!!?
ほんっっつとうに面白い話です!現代を生きる私たちも大爆笑できます!
さて今回注目するのは、
声楽教師 アルフレード
この人も変な人なんですよね〜。ロザリンデが未婚の頃、どうもお付き合いがあった人らしく‥‥。
アイゼン家の外で大声でロザリンデに愛の歌を歌います。人妻かどうかなんて御構い無しです!初っ端からこのシーンなので、インパクトは絶大です。
さらにそれを受けたロザリンデのセリフに注目です。
彼よ!私がまだ未婚だった頃、アルフレードは私に夢中だった。あのテノール、あの図々しさで彼だと確信したわ!あんなに図々しいのはテノール歌手に違いないのよ!
いやいや偏見(笑)いや、偏見なのか‥‥?
まぁ、なんとなくテノール歌手はセンターに立ちたがるイメージはありますが‥‥(笑)
私からはこれ以上何も言えません‥‥
アルフレードは第一幕で物語を引っ掻き回してくれる華やかで面白いキャラクターですが、第一幕の終わりで、「アイゼンシュタイン」だと勘違いされ刑務所に連行されてしまいます。そして《こうもり》で最も華やかな二幕のパーティーの間は檻の中なので出演無しのアルフレードさんです。そのギャップがたまらんですね!
アルフレードに共感するのは難しいかもしれませんが、二幕を見ながらアルフレードのことを考えるとクスッとできます(笑)
最初から最後まで見ごたえ抜群の《こうもり》
ぜひ観てください!!!
次回予告
→せっかくなので今度は刑務所長紹介します!