ショートカット版オペラの上演を行ってきたVivid Opera Tokyoが、初めて(!)ほぼ全編ノーカットの公演に挑戦しました。
【こうもり】はオペラではなくオペレッタに分類されます。オペレッタは欧州発祥のセリフを交えて演じられる喜歌劇ですが、上演される国の言葉に訳されて歌われることが多いので、我々も伝統に倣い、台詞も歌詞もメンバーの完全書き下ろしによるオリジナル日本語版を使用し、これまで以上にVividカラーを前面に押し出していくこととなりました。
会場は前回公演よりも大きな杉並公会堂小ホール。舞台上の黒壁が夜会の世界観にマッチし、Vividとしては珍しいアダルトでムーディーな雰囲気に仕上がりました。さらに指揮者を招聘することで、これまで培った“耳と呼吸でのアンサンブル”がさらに精錬されたものとなり音楽的な充実を得ることが出来ました。
演出は日本語上演を活かすため、物語の舞台をヨーロッパから日本に移し替え、和服と洋服が入り交じった大正ロマンの世界観…かと思いきや、舞台には特製の檜風呂、ドレスの美女に囲まれた法被にハチマキの男、さらにはピアニストも指揮者も芝居に参加するなど、オペレッタならではのハチャメチャな舞台に客席は沸騰、「この公演を機に他のオペラ公演にも足を運んだ」等うれしいお客様の声もいただきました。