皆さん、こんばんは。
最高気温が高いせいか、なかなか紅葉が訪れませんね。
そろそろ冬が始まってしまいそうな気配ですが、秋特有の落ち着いた空気が恋しいですね。
さて、今回は、「呼吸」についてお話しできればと思います。
最初に述べておきますが、昨今大ブレイクしている「鬼滅の刃」に私は触れていないので、そっち方面の呼吸のお話ではございません。ご了承ください。
サブカルチャーパフォーマンスにおける呼吸は、主に演者のペース配分のみに用いられます。パフォーマンスが予め決定している進行に則って行われることが多いため、あまり呼吸に他者は介在しません。ですが、全く共有しないというわけでもなく、目線、接触などと同様に、重要な手段として用いられるケースも存在します。イヤモニで音声は共有していても、カウントが共有されているわけではないので、こういった時に呼吸は有効な力を発揮するのです。
オペラでは、視覚、聴覚のみで完全な共有を実現することは不可能です。イヤモニのような便利なものは当然ありませんから、呼吸をツールとして合わせることが必要となってきます。
例えば、長い休符の時、音と音の間に空白が生まれます。そして次に音が発せられる時、指揮者きっかけにせよ歌手きっかけにせよ、そのリスタートには必ず呼吸が伴われます。この呼吸こそが、オペラをオペラ足らしめている大切な要素なのです。クラシック音楽においては、呼吸もまた音楽の一部なのです。
素晴らしい歌と芝居には、豊かな呼吸が必要不可欠なのです。
スポーツ選手においても同様のことが当てはまると思います。ボールを投げる時、バットを振る時…オペラも、言ってみれば身体全体を使った全身運動なので、似通う点が出てくるのでしょうね。
自己を主とした呼吸、他者との共有を有りきとした呼吸。同じ動作でも、異なる内面が様々な効果をもたらします。
物事とは、同じようで異なっていて、はたまた異なるようで同じであるのでしょう。
朝晩の冷え込みが厳しくなって参りました。
あたたかくして、加湿して乗り切りましょう。
それでは、また。