小澤征爾さんです。指揮者ですが”指揮棒を持たない”ことで有名です。指揮棒は音楽のテンポや強弱などを奏者に伝えるためにあるのですが、持たない人もいます。名指揮者の1人であるストコフスキーは「1本の棒より10本の指の方が優れた音色を引き出せる」と言って指揮棒を持たなかったとか。きっと小澤さんにも深い理由があるのだと思い調べてみました。
「あるときウィーンで忘れちゃったの、自分のアパートに。演奏会に間に合わないから、それで(指揮棒を使わずに)やってみたの。そしたらオーケストラの人は良いとも悪いとも言わないんだ。ていうことはみんな見てないんだ、って(笑)それから20年くらいになるかな」
さすが世界のオザワです。
ここ数年、毎年オペラの現場でお会いする機会がありました。僕は中・大学と同じ出身なのでその話をすると「中学は何先生?ふーん、僕の時にはいなかったな」と言われました。…そりゃそうですよね!?
その後も「名前は塙(はなわ)って言うの?覚えづらい名前だなぁ」と言われました。…そうですか!?どちらかというと覚えやすくないですか??お笑い芸人のハナワさんとか、字は違うけどちびまる子の花輪くんとか知りません?と言えたら良かったのですが、まだそこまでの仲ではありませんでした。でも今考えるともしかしてツッコミ待ち??大きなチャンスを逃したのかもしれません。
話が逸れましたが、こういったチャーミングさ、良い意味での普通さが小澤さんの魅力だと思います。そんな小澤さんが2000年に始めたのが【小澤征爾音楽塾】というオペラを通じて若い音楽家を育成することを目的とした教育プロジェクトです。オーケストラはアジア各地からオーディションで選ばれたほぼ20歳以下(本当に若い!!!)のメンバーですが、そのオーケストラを指導するために世界的な指揮者や演奏家が集います。もちろん舞台上も世界レベル。ニューヨークにあるメトロポリタン歌劇場から演出家や装置・衣装が来ます。全てがスペシャルです。
よし、その話はまた次回。