皆さん、こんばんは。
騒がしき夏も終わりを迎え、秋が唄い出しましたね。
暑さに耐え抜いた身と心を労いましょう。
さて、今回は、サブカルチャーとの比較論を一旦置き、オペラの歌唱スタイルについてお話していきましょう。
皆さんは、「原語歌唱」という言葉を耳にしたことはありますか?
この原語歌唱とは、本来当てはめられている言語で歌う、というシンプルなものです。イタリア語であればイタリア語、ドイツ語であればドイツ語といったふうに、オリジナルのまま演奏することを指します。昨今の公演は、そのほとんどがこの原語歌唱で行われています。
ところが、そのスタイルとは別に、外国語の歌詞を日本語に置き換えて演奏する、所謂「日本語歌唱」というものがあります。
こちらは元々、日本にオペラが入ってきた折に、我が国でも舞台芸術を発展していこうという試みから始まったものでしたが、近年では、新たな演出や上演スタイルの可能性として、様々な日本語歌唱が取り組まれています。
無論、オリジナルの作品からは逸脱する行為でもあるので、度々議論を呼びます。しかしながら、文化というものは日々変遷し、その場所場所に於いて独自の展開を広げていくものであるので、この日本語歌唱が、全くの悪であるとは中々思えないのです。
時代、国と共に其のあり方を変容させてきたオペラは、現代日本に於いても、またひとつ、新たな輝きを迎える時が来ているように感じる次第です。
あなたも是非、変わりゆくこの瞬間をご覧ください。
初秋の頃
それでは。