オタク声楽家の「サブカル・オペラ小噺」
②拍手、お教えします。
皆さん、こんにちは。
そろそろライヴに行きたくて干上がっている、寺田穣二です。
今はとにかく辛抱の時ですね。
さて、前回はオペラアリアについてを、キャラクターソングライヴと比較してお話させていただきました。今回は、内容というよりは、オペラ観劇について取り上げたいと思います。
これはクラシック音楽に馴染みの無い方からよくお聞きすることですが、「オペラは難しくて、敷居が高い…」「外国語だから内容がわからない」…ヨーロッパの古典音楽劇ですから、確かに日本人にとっては、馴染みの無い要素は多々あります。しかし、紐解いてみると、現代を生きる私たちにも響く、普遍的なテーマがあります。悲恋、友情、憎悪、宿命…様々なテーマが私たちを歌劇の世界へ誘いますが、内容に関しては他のメンバーが述べてくれているので、私はより前提にある、「観劇」についてお話させていただきます。
皆さんは、拍手するタイミングで迷ったことはありませんか?
「アイドルマスター」9thライヴで「眠り姫」(如月千早 CV:今井麻美。音域が広く、曲想が壮大な難曲。9thライヴは生バンド付きということもあり、多くの観衆が涙した。)という曲が披露された際、歌い終わりのE音を2小節伸ばした後にコーラスとヴァイオリンの後奏によって締めくくられるのですが、後奏を待たずに拍手が起きてしまったのです。素晴らしい最高音と歌唱に対して直ちに拍手を送りたい気持ちはわかりますが、そこは踏みとどまって後奏の後で拍手をしても良かったのではないか、と今でも思います。
このように、キャラクターソングライヴにおいて、拍手やコールなどのタイミングや是非については、度々議論を呼びます。
最も、このようなケースは解釈の差異によるものですが、オペラではどうでしょうか。
オペラでは、基本的に拍手できるタイミングがあります。例えばアリアの後や、有名な重唱の後、そしてカーテンコールでしょうか。キャラクターソングライヴに比べて、とてもわかりやすいものだと感じます。
知っている曲ならいいですが、知らない曲ではどうしましょう?対策としては2つあります。
①周りに合わせる←私もよくやります。
②指揮者を見る←ちょっと難しいです。曲の感じでも察することはできますが、明確に拍手のタイミングが用意されている場合、指揮者が一旦腕を下すことがあります。そこです。
しかしながら、あまりにも警戒しすぎると、拍手のタイミングを誰も掴めず、静かになってしまうことも稀にあるので(実話)、あまり気にしすぎないほうが良いかもしれませんね。
劇場の空気を作り出すのは観客でもあるので、是非リラックスした状態で観ていただければと思います。無論、私たち演者は、そう感じていただけるように歌を磨いております!
一刻も早く、その素敵な関係が戻る日を願ってやみません。
最後に一つ。
今回は観劇、拍手についてお話させていただきましたが、「誰も寝てはならぬ」という曲をご存じですか?あの曲、後奏で盛大に盛り上がって終わるので沢山の拍手を誘うのですが、実は譜面通りに演奏すると、締めくくらずにそのまま次のシーンの音楽に入ってしまうのです。それを知らずに拍手を用意していたら、指揮者が譜面通りに演奏する人で拍手できなかった…ということが起こりえるので、後奏に入ったら拍手することをおススメします。
もう少し、キャラクターソングライヴとの比較論をお話させていただければと思います。
それでは~。